痛みの原因 ― 神経について(痛みの原因、及び当院の治療法について③)

手や足に痛みに加えて痺れが出る場合など、神経が大きく影響していることがあります。
レントゲンやMRIなどの検査で明らかに神経を圧迫しているなどの診断が下されている場合もあります。

しかしレントゲンやMRIでは異常が見つからない場合もあります。
「痛くて病院に行って検査してもらったけど、原因がよくわからない」ということで当院にいらっしゃる方々です。

レントゲンやMRIでは、明らかな椎間板ヘルニアや、脊椎狭窄症などが見つからず、原因不明と診断されている場合でも、神経の状態がかかわっていることがあります。

例えば、何らかの理由で神経が圧迫され、かつ引っ張られている状態になり、それが原因になって痛みや痺れが起こっている場合です。

具体例をお話しいたします。

太ももの前面や膝に痛みや痺れが出ている人の例です。
盲腸の手術でその治癒過程にできた切除部位の硬結が、盲腸のすぐそばを通る大腿神経を締め付けて、太ももの前面や膝に痛みや痺れが出ることがあります。
解剖学的には、盲腸を包む膜とその側を通る大腿神経を包む膜が繋がっている箇所があるためです。

太ももや膝の内側を支配する大腿神経(及び伏在神経)は、第2-第4腰神経から出ています。
腰部のレントゲンやMRIを撮っても、第2-第4腰神経には異常がないため、原因が分からないという診断が下されていたりします。

ちなみに、筋膜が痛みとかかわっていることや、筋膜の繋がりについては、西洋医学的に考察されだしたのが比較的最近であり、解剖学の専門書や医学の教科書には、まだほとんど記載されていないようです。私が解剖学の授業を受けていた時も、筋膜については部分的な解剖しか教科書には載っていませんでした。

オステオパシーを学んでいた時、いっしょに受講していた方のなかに心臓専門の外科医の方がいたのですが、「切開する時、筋膜については考えていなかった、筋膜を考慮していればもっとその後の切開個所の回復が早かったかもしれない」と、唖然とした表情でしみじみと語っていたのを覚えています。

筋膜の詳細については、「アナトミートレイン」という書籍に解剖学的に詳しく載っています。

少々話が脱線しましたが、先ほどの例でも、太ももの痛みや、膝の痛みあるいは痺れの治療に、「どこを施術するか、施術するポイントはどこか」が重要になってきます。
ピンポイントな部位が原因になっている場合は、ミリ単位で触診によって特定し、リリースしていくこともあります

腰椎椎間板ヘルニアや、脊椎狭窄症と診断されていても、痛みの直接の原因はそのヘルニアからきたものではなく、筋・筋膜的な側面の痛みである場合もよくあります。その場合は、施術による治療で痛みが改善され治癒される見込みがあります。

次回は肉体的側面のうち、内臓について解説いたします。

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